少女をかばって車に轢かれて片足を失った俺。事故から10年後、少女が結婚すると聞いて俺の心は・・・
10年前、俺は事故で片足を失った
10年前の25歳だった時、俺は片足を失った。
原付バイクで走っていると、歩道から少女が飛び出してきた。とっさに避けた俺は横転し、後続車に踏まれたのだ。
後続車のドライバーがブレーキを踏んだため、前輪は身体を乗り越えて行ったが、後輪は俺の片足を大根おろしのようにもっていった。
車椅子生活になった俺は、デスク仕事だったから仕事はそのまま続けられたが、唯一の趣味のサッカーを楽しむことができなくなった。
生活費に困ることはなく、生活が多少不便になる程度だと思ったので、メインの補償は「年間50万円を直接手渡しで受け取る」ということにした。
同僚からは補償が少ないと散々言われたが、俺はたかが足1本だと思っていた。
この事故以来、少女の家族からは懇意にしてもらって、補償じゃ代えがたいものを貰っている。
少女の父親もサッカー好きで、少し年上だがいい飲み友達になっていた。
母親の方はおばちゃんパワー全開で見合い話を持ってきてくれたり。
家族・親戚のような、友達のような、冗談も言い合える仲になっていた。
少女が結婚すると聞いた俺は・・・
今日もその家族の家に遊びに行ったんだ。なんの意識もせずにいつものように。
雑談をしていると、父親から少女が今度結婚することになったと聞いた。
俺は父親のような兄のような気分で喜んだ。
だがふと現実が頭を駆け巡った
(結婚は金がかかる。この家庭から毎年50万も受け取っている。
そのくせ俺は金に困ってないし、さらに仲良くしていただいている。
片足1本分のモンは返してもらった。むしろオマエ仲良くしていただいてありがとうって金払え。
女子高生ごちそうさまでしたって言え。って喰ってないジャン。
あ、残った足取るってのはどう? そしたらまた10年ぐらい仲良くしてもらえるかも)
いきなりいろんなことが頭をよぎって、パニックになりかけた。一人ツッコミしてたし。
その場では取り繕って、無難に振る舞って帰ってきた。
家に帰ってからまた色々考えてしまった。
毎年50万円の負担とか、俺の足のことを常に気遣っているストレスとか、お見合い相手探してくれてることとか・・・
そしてこんな俺のことを負い目に思っている(かも知れない)女の子のこと・・・
そしたらすごく涙が止まらなくなった。泣きじゃくったよ。こういうのを嗚咽って言うのかな?
しばらくして落ち着いたので考えてみたが、もう年50万円の補償は断ろうと思ってる。
それで疎遠になって存在が忘れられたとしても、自分のせいで片足になったやつがいたなんて思い出さずに生きていける方がいいだろうと・・・
せつない・・・
ネットの反応
・結婚式では女の子をちゃんと見送ってあげなよ
・その家族はあんたを忘れたりしないよ、絶対
・少女の家族がええ人ばっかりで泣けた
・思いはちゃんと伝わってるはず
つらいことがきっかけの出会いですが
こんないい出会いになることもあるのですね!!
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